食生活その他。

食卓の向こう側
僕が下っ端をやっている学会の支部講演会があったので,しぶしぶ(駄洒落ではない)行ってきました。しぶしぶ、というのは講演内容にあまり惹かれないことが多いため。

そもそもその学会は(本当は違うけれど)経営情報的なものに関する学会で、よく言えば守備範囲が広く、悪く言えば節操がない。僕自身が所属しているのはその「情報」的部分に関連があるからですが、なぜか九州では「経営」の色が濃かったりする。これは関西から比べると支部の規模が小さいからだと思うのですが,まあそんなこんなで講演・研究会が興味と一致しないことがしばしばなのでした。

で、今回の講演ですが、予想に反してなかなか興味深いものがありました。
はっきりいって、守備範囲の広いこの学会の範囲からも外れるような内容だったのですが、まあそれはさておき。

これは、講演者の西日本新聞の記者さん自身が担当しておられる『食卓の向こう側』という連載の紹介だったのですが、これがなかなかの内容でした。
まあ一言で言うと、「現代日本の食にまつわる状況をさまざまな視点から見ることにより警鐘を鳴らす」というもので、悪く言えばよくありそうな内容、、、なのですが、僕が最近疎くなったせいか、僕自身が思うよりも日本の食生活は危機的状況の様子。

話のひとつに長崎の大学生に『3日間の食事の記録をとってもらう』というものがあります。この記事に出てきている以外にもいくつかのサンプルを見せてもらったのですが、これが相当ひどい。まあ、一人暮らし学生の食生活はそれなりにひどいと思ってはいたのですが、そういうひどさではなく、何も考えていない、という意味でひどい。
たとえば、1日目は菓子パンコーラを3食やったかと思えば、翌日は外食3連発(朝抜きで夕方にハンバーガーが入ったり)で食費自体は決して少なくはなく・・・と言う例(極端な例ではないとの弁)。
また、僕の先入観では(僕自身がそうだっただけかもしれないが)一人暮らし学生は帰省すると、夕飯にはご馳走(好物)が並んでいたりで栄養チャージをする、逆に?栄養チャージのために帰省する?、というのがあったのですが、別の例では一人暮らし学生が実家に帰ってもそれまでとほとんど変わらないみすぼらしい食生活(というより手抜き食(インスタント焼きそば、宅配ピザなど・・・が並ぶ、といった具合)。ご両親も共働きで実家でもずっとそのような食生活だったのかなあ、と理解できないでもないのですが・・・。

この話以外にも、さまざまなに内容にそれぞれ驚いたのですが、今回トータルとして驚いたのは、(言って見れば当たり前なのですけど)「食生活・食習慣が急激に変化している、と言われているが、これは現在進行形である」という事実でした。この連載のようなレポートを読む機会は過去にもあったのですが、そのときと比べても状況は劇的に変化している。というより、その「劇的具合」にびっくりしたわけです。
これまで見聞きしてきた「食生活・習慣が変化してますよー、このままだとこうなっちゃうかもしれませんよー」という報告・予測は当てはまらず、というかそもそも「このまま」じゃなく、とにかく皆が思い描く「典型的な日本の食事・食卓」というものが存在しえなくなるくらいの劇的な変化に驚いた次第で・・・。

じゃあ、どうあるべきなのか、なんかはさっぱりわからないのですが、
しかし、皆そういうある種の指針、典型、モデルみたいなのを持っていないからこうなっていて、それが一番良くないようにも思います。また考えることが増えてしまった。