キャシャーン

19日から数日間ハンガリーにいってきました.
12時間近いフライトだったのでばりばり仕事しようと思っていたのですが,
途中で気分が乗らなくなって結局映画(キャシャーン)を見てしまいました.
他には,ハリーポッターの3番目,トロイ,トイストーリーの何番目かなどが
やっていたようです(あとシュレック2もやってたみたいだったのですが
なんだか見られませんでした.ちょっと見たかった.)

一言で言うとものすごい出来の映画だったのですが,このままその経験を捨ててしまうのも惜しいので,一応感想を箇条書きに.

・映像はすごく綺麗.全体的にセピア調のもやがかかっているような感じで,どのワンシーンを取っても絵になる.

・時代・文明設定としては,昭和初期の文明の大方を残し,部分部分を3,40年分進歩させたような感じ(旧字体の漢字,古い型の自動車,政府高官の華族的?な服装)これはなんとなく物悲しい雰囲気を出すためかな.悪くはない.(映画は見てないけれど,バトル・ロワイアルの世界もこんな雰囲気の世の中を考えていたのかな,と今思った)

・上に続くが,これは非現実感(超現実感?)を出すのにも役に立っている?

・ロボット(群)の動きが軽くて不自然.重そうな体なのに,一斉にひょいひょいと足を動かすので,しらける….

・鉄也(キャシャーン)の多数のロボットを前に暴れ回る姿は壮観.

・新造細胞って何じゃらほい.あの設定だと実際にあるES細胞とどう違うんだろう?もとのキャシャーンの設定を忘れてしまったが,元々の設定どおりなんだろうか.

・ここまで細部(ある意味映画にとっては彩りでしかない部分)に感想を述べたくなってしまう,というのも珍しい.ストーリーに入りこめなかったせいか?

・映像の美しさ,各シーン(カットっていうの?)の絵的な意味での綺麗さが重視されているため,ストーリー的なものはどうでもいいと思いながら作ったかな,と思いつつ見ていたらどうもそうではないっぽい.よくよく考えると,結構それぞれの人物はいろんな背景を持って行動しているし,業みたいなものも出そうとしているっぽい.しかし,それが「すーっと」入ってこないっていうのはどういうことだろう.

・各人が話す「業」みたいなものをある主のテーマにしたいのかなあ,とも思ったが(で,(当時の記憶はほとんどないが)その業みたいなものにより子供アニメであった「キャシャーン」がみんなの記憶に残っているのだと思うので,非常に重要なファクターだとは思うのだが),それがこんなに浮いてしまうのは何故なんだろう?各人がべらべらと重みのありそうな言葉を話すたびにしらけてしまう.

・ここまで感情移入できない映画も珍しい.

・映像の美しさ,背景のそれなりの構造とその奥行き,などなどを考えるともっと良い映画に仕上がってもいいと思うのだが.こんなになっちゃっているのはシナリオのくみ上げ方がまずかった?

・絵的な綺麗さとシナリオの組み上げ方のまずさで,幻魔大戦を思い出した.

・映画館で見なくて良かった.