近況

新年度ということで,近況でも.

・ 下に書いている「引越し」は,7月末に無事終了いたしました.
 
今まで東区の住人だったのが,西の方の区に.駅からも程よく近く,なかなかすごしやすいです.僕と実生活で知り合いの方は是非一度お寄りください.

・ 仕事等に変わりはありません.

先月は異常に出張が多かったりしましたが,今月は多少落ち着いていることでしょう.なんだか昨年度は調子に乗っていろんな仕事を引き受けすぎて(といっても高が知れてはいる)どうも一部の仕事でぐだぐだになってしまった感があります.引き受けた仕事は適切に裁く必要があるので,他に振ることも大切ですね、ということで…

・ 今年度はいろいろ生活が変わりそう.

上と半分矛盾してそうな表現ですが,これは「今年度は」ということで.
職場環境,家庭環境ともにいろいろ変わりそうです.きちんと仕事を裁いて思索の時間を増やしたいと思っているところです.

・ あと,いつも使っている Note PC の無線部分が壊れました.

1年と1ヶ月前ほどに購入したThinkPad X40なのですが・・・
現在修理中です.

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こんな程度ですかね.
今年度もよろしくお願いします.

そろそろ電子マネーの時代が来るような気がしています.

ここで「来る」と言っているのは,色々なものが質的変異を遂げつつある,ということであって,なにもSuicaEdyがどんどん普及するだろう,というようなことではありません.
言いたいのは,貨幣・通貨の持つプロトコル的性質が強調される世の中になる,その意味で電子マネーというものは「プロトコル的本質」を表す存在として大きな役割を果たす,
ということを言いたいのでした.

と,これだけ書いてもわかりにくいと思うので,もう少し敷衍します.
「お金の本質とは何か」という漠然とした問いに対しては,人それぞれの答えがあると思います.僕の最近の答えは「信用と価値とプロトコル」です.これは,数年前に聞いた安浦先生の講演に端を発しています.あのときの講演がどういうものだったかは今はもうすっかり忘れてしまいましたが,僕の中で消化されて残ったのが,この「信用とプロトコル」という言葉なのでした.

ここで思考実験として,以下のような問いかけを考えます.「EdySuicaに記録された電子的な課金データを持って我々が「買い物」をできるというのはどういうことなのか?」
Edyのポイント100円分で,100円分のものが買えるという事実は,何に基づいているか,ということです.非常に大雑把に言うと,Edy 100円分の支払いに対して,ANAあたりが100円分の保証をするからこそ,Edy100円分の支払いは有効になる.これは,当然ながらいくつもの信頼に基づいています.

1. 購買者自体が支払ったポイントが正しいポイントであること.
2. 商品(サービス)提供者は.たしかに「100円」に見合う商品(サービス)を提供していること.また購入者はそれを受け取っていること.
3. 商品(サービス)提供者は,受け取った100円ポイントを,ANAから何らかの形で100円と交換していること.(つまり,ANAは商品(サービス)提供者の申告に基づき,日本国100円を支払っていること.)

…と書き連ねていくと,切りがないくらい「信用」と「価値」に基づいていることがわかります.で,この仕組み自体が「プロトコル」として機能している.
このように見ると,同時に,「そんなもの,Edyも現状の紙幣もなんら変わりないではないか」という気になってくるのですが,いかがでしょうか.このような意味で,「お金の本質」は「信用とプロトコル」である,と述べたわけです.で,電子マネーというのはその本質に揺さぶりをかけているとも言えるし,同時にその本質以上の何者でもないのではないか,と思わせるものでもあるわけです.

というのを,経済に関しては素人である僕が考えている,というだけの与太話なのですが.

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で,ともかく,電子マネーというのは,今僕が上げたような「信用」と「価値」と「プロトコル」を,実貨幣の「信用」「価値」「プロトコル」のレベルから一気に抽象レベルにまで引き上げる,もしくは情報論・計算論的レベルにまで引き上げうる,強烈なものである,ということを感じるということなのです.また,さらにその真価を問われるような,インターネット上でのビジネスモデル(ってミーハーな言葉遣いで申し訳ないけれど…)が現れつつある,ということなのです.