師匠の価値観を弟子はコピーする

http://d.hatena.ne.jp/next49/20090222/p2

ごもっともと思う反面,酷だなと思うことも.

とりあえず研究の話をしているとおもうので,研究に限定した話を考える.まず価値観と言う背骨は,生まれながら持っているものではなく,経験を通して構築していくものであるのだと思うし,たぶん next49さんもそう思っておられる.だから「君が背骨を手に入れる手助けをしきれなかったことに悔いが残る」とおっしゃっているのだと思う.

じゃあ(研究において)弟子はどうやって良い背骨を手に入れるべき(だった)か,という話になる.通常,弟子は師匠の背骨をコピーしようとする.というか,そもそもそれが「弟子入り」の定義かもしれない.にもかかわらず,next49さんは「最期まで君は自分の主張の正しさを自分の言葉で言えず、常に私の保証を求めたね。はっきり言ってそれが私にとっては本当につらかった。」と言って突き放しているともとれることを言われている.長期的に見ればコピーにとどまってはもちろん駄目だけれど,価値観の雛形もない弟子にそれは酷のように思える.next49さんご自身は優秀で,コピーなんかはすぐにできる方なのかもしれないし,もしくはそもそもコピーするまでもなく,研究面で培ったわけではない実生活からの価値観をベースにご自分の背骨を持っていた方なのかもしれない.

だが,一般にはそれは難しくまず師匠の価値観を弟子にコピーさせて,その上で独自の価値観としての背骨を作る手助けをする(explicit にではなくとも,・・・むしろexplicitにしないほうが良いのかも)のが良い師匠じゃないかなと思う.